ケニアの伝統

ケニアには主に40以上の異なる部族がいます。南東インド洋・海岸地方のスワヒ リ民族、ケニア北部の放牧民族、中央部に住む農耕民族、西部に住む民族、リフト・バレーに住む民族、それぞれが異なる伝統を継承しています。部族語を持つ と同様に異なる伝統を持つため、一概に一つの伝統を説明するのは容易ではありません。

ケニアには、伝統的な文化と新しい文化が交じり合い、その価値観がうまく解け合 い、それがケニアのユニーク性を表しています。海岸地方では貿易商人からアラブ文化、ポルトガル文化などが入り、更に鉄道工事のために移民して来たインド 文化が混じり、ケニアを植民地化したイギリス文化の影響も受けています。ケニアは日本の単一民族とは反対に、多種多様なあらゆる文化のるつぼです。食生活 の一部に インドからのチャパティやサモサなど、午前・午後のティータイムの習慣などもイギリス文化からの影響が根付いています。

ここ10年程で、携帯利用者数が都会、富裕層または若者層のみではなく、田舎の 年老いた年齢層や貧困層にも普及したのは良い例で、世界中で最も普及率が早かったと言われています。その影響で東アフリカ、また、その近隣国の中でもイン ターネット・バンキングのみならず、携帯でのオンラインバンキンクが可能になったのはケニアが最初です。また企業のみではなく、個人によるワイアレスの Wifiインターネットコネクションを利用する普及数の早さも近隣国を抜いています。21世紀未だに文明生活から離れ、昔の生活を維持しているマサイ族 が、片手に牛を囲うための棒を持ち、もう一方の片手に携帯を持ちコミュニケーションを取っている姿を、近年、携帯会社の広告にも使われたのは、このケニア の文化の融合を象徴している表れとも言えます。

ケニアの言語

英語とスワヒリ語が使われ、スワヒリ語が国語、英語とスワヒリ語の両方が公用語 (2010年憲法改定後)となっています。国内では69部族語が話され、それが部族ごとの文化の違いの表れともなっています。教育は一環して英語でされ、 スワヒリ語は教科の一つとして教えられます。但しケニア教育制度の8.4.4.制度(小8年、高校4年、大学4年の意味)では、小学校から高校までスワヒ リ語は教科としてありますが、大学では講義・試験共に英語が一環され使われています。またケニア国内でアメリカ教育制度(グレード12まで)、イギリス教 育制度(小7、高4年または6年)を持つ学校では、スワヒリ語は教科の中に含まれていません。従い、日本のように、生徒が英語の読み書きは出来ても、実際 には英語が話せない現象が、ケニアでもスワヒリ語教科に対し同様に起こりつつあり、学校教科としてのスワヒリ語が試験必須科目としてあるため、読み書きは 出来ても、流暢には話せないという事が起こっています。またナイロビのようなメトロポリタンで話されるスワヒリ語は、海岸地方で話されるスワヒリ語やタン ザニアで使われるスワヒリ語とは全く異なり、ほとんどがスワヒリ・スラング(俗語)が使われています。世代によっては、英語や部族語と混ぜて使われたりも しています。

また、当地の主な新聞は英語で発行され、テレビのローカルチャンネルは、スワヒリ語でのメインニュースは、午後7時、英語でのメインニュースは午後9時に報道されています。

ケニア人は、教育を受けていなく読み書きの理解力の程度が低い層でも、部族語と スワヒリ語、または部族語と英語というように、最低でも2ヶ国語を話すことが出来る国民が多い国です。サファリ・ドライバーでフランス語やイタリア語を流 暢に話すドライバーもいます。観光地にあるホテルやロッジで、レセプションが片言の日本語で挨拶をしてくる姿も珍しくありません。日本語は大学やカレッジ で、最も選択される外国語の中にも入っています。       

ケニアでは地方へ行かれても、ホテルの従業員に英語が通じないという事はまずありえまんが、スワヒリ語が公用語となっている隣国タンザニアでは、ホテル従業員が英語をあまり理解出来ないという場面に遭遇することもあります。

ケニアの宗教

19世紀、ヨーロッパから主にスコットランド、アイルランド、イタリア、スペイ ンなどから宣教者達がケニアを訪れ、国内全体にキリスト教が布教し、それにアングリカンなどが加わり、現在3世または4世のクリスチャンが国内の約80% を示 し、カトリック・プロテスタント両方の教会が見られます。また海岸地方ではアラブ文化の影響を受け、イスラム教のモスクやブイブイ(イスラム教徒で黒い 衣装に包む)を着た女性が多く見かけられます。またインド人が居住する地域には、ヒンズー教の寺が建てられ、ケニアの法律にも則ってあるように、信仰の自 由が見 られます。